越前五山とは、飛鳥・奈良時代の僧である泰澄大師が開山した、福井県の文殊山、吉野ヶ岳、越知山、日野山、石川県と岐阜県にまたがる霊峰・白山をまとめた五山の総称です。
泰澄は36歳の時、弟子とともに白山に登頂し、その後も全国各地で布教活動を行いました。また、山頂から白山を臨む遥拝の地として、文殊山、吉野ヶ岳、越知山、日野山をそれぞれ開山し、修験者による修行の山として信仰を集めてきました。越前五山には、今も信仰の歴史を偲ばせる堂や社が崇められています。
本サイトでは、「福井県の絶景が広がり人気のある登山まとめ」を掲載していますが、ここでは、越前五山の登りやすさを初級、中級、上級に分類して、ご紹介します。
初級
文殊山(福井市・鯖江市)
文殊山は、地元で非常に親しまれている標高365mの里山であり、登山道の整備が行き届いていることから、登山者の人気がとても高いです。福井県内で最も登山者の多い山に当たると思います。
登山口のほか、山の中腹にもトイレが整備されており、安心して登山を楽しむことができます。また、山頂や展望台からは、絶景を臨むことができます。
小文殊、大文殊、奥の院と呼ばれる三つの峰があり、小文殊には阿弥陀如来像、大文殊には文殊支利菩薩、奥の院には正観世音菩薩がそれぞれ安置され、三尊とも泰澄の自作であると伝えられています。また、大村コースの登山口にある楞厳寺は、泰澄が717年に開いたとされています。
コースや景色などの詳細は、以下のページにまとめています。
吉野ヶ岳[蔵王山](永平寺町)
吉野ヶ岳は、福井県永平寺町に位置する標高547mの山であり、地元では蔵王山とも呼ばれています。山頂直下には蔵王大権現が祀られている信仰の山です。
山頂ではベンチに腰掛けながら、福井平野や日本海、白山の眺望を楽しむことができます。
泰澄が蔵王大権現を祀ったとされており、蔵王権現、聖観音、多聞天の三体のご神体があります。
コースや景色などの詳細は、以下のページにまとめています。
中級
越知山(福井市・越前町)
越知山は、福井市と越前町にまたがる標高612mの里山であり、登山道には石仏などの歴史遺産や泰澄にまつわる霊水・独鈷水があるほか、山頂付近には越知神社、別山神社や奥の院などがあり、神聖な雰囲気が漂っています。
登山口のほか、山頂手前にもトイレが整備されており、安心して登山を楽しむことができます。また、山頂や展望台からは、絶景を臨むことができます。
泰澄が幼少の頃に見た夢のお告げにより、少年時代から青年期まで修業し、仏の教えを悟った北陸最古の修験霊場として伝わります。
コースや景色などの詳細は、以下のページにまとめています。
日野山(越前市・南越前町)
日野山は、福井県越前市と南越前町にまたがる標高794mの山であり、その稜線の美しさから「越前富士」とも呼ばれ、地元で親しまれています。
古来から山岳信仰の霊山として敬われており、日野神社の御神体として山頂には祠も鎮座しています。また、山頂では、北の社からの展望が特に素晴らしく、福井平野を一望できます。
718年に泰澄によって開山されたと伝えられています。
コースや景色などの詳細は、以下のページにまとめています。
上級
白山(石川県・岐阜県)
霊峰・白山は、石川県と岐阜県にまたがる標高2,702mの活火山であり、最高峰の御前峰と大汝峰、剣ヶ峰などの山々で構成されています。また、富士山、立山と並ぶ、日本三霊山の一つです。
万年雪が残る山頂部や登山道を彩る高山植物、広大なブナの原生林など、多彩な見どころがあり、多くの登山者を魅了します。また、コースのバリエーションも豊富なため、訪れる度に新たな発見を楽しむことができます。
716年、夢に現れた女神のお告げにより白山を目指した泰澄は、翌年に山頂へ到達したとされています。山そのものが御神体として崇められていた白山への信仰を修験道として体系化し、今日まで続く白山信仰の礎を築きました。
番外編
三床山(鯖江市・越前町)
三床山は、鯖江市と越前町にまたがる標高279mの里山であり、南北朝時代に築城された三床山城跡の堀切や郭群などの遺構が残っています。
登山道の整備が行き届いていることから、登山者の人気が高い山となっており、山頂からはパノラマの展望が広がります。
山頂からは、越前五山を全て臨むことができます。東側、西側の展望スポットに、山の名前が記載された展望図もそれぞれ設置されています。
コースや景色などの詳細は、以下のページにまとめています。
最後に
ごみは持ち帰るなどのマナーを守り、安全に気を付けて登山を楽しみましょう。
山の最新の情報は、登山の投稿サイトなどで直前に確認しておくと安心です。